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だがここまで来たら引き返すわけにはいかない。現に俺だって悠と触れ合いたい。
湧き上がる不安をかき消すように、俺は普段よりもかなり念入りに身体を洗った。
浴室から出ると、そこにはタオルと着替え一式が用意されていた。恐る恐る袖を通すと、俺の身体より一回り大きい。
やはり悠のものだ。
……あれ、そういえば下着って。
悠もそこまで考えていなかったのか、下着の類は無かった。隣には俺が今日一日履いていた下着があるが、シャワーを浴びた後に履くのは流石に憚られる。
どうしよう。
そもそもこの後「そういうこと」をするのに、そこまでして汚れた下着を履くべきなのだろうか。
かといって悠の部屋着をノーパンで履くのも申し訳ない…。
しばらく考えていたが、悠を待たせていることを思い出した。
仕方ない、ノーパンで行こう。この後悠に事情を説明すれば、嫌な顔はされるかもしれないが許してくれるだろう。
開き直って用意された着替えをありがたく着る。着替えの下は全裸である。
それを悟られぬよう、俺はなんでもないフリをしてリビングに戻った。
「悠、おまたせ。シャワーありがとう」
「いいよ、初めてじゃないんだし。じゃあ俺行ってくるね」
そう言って悠は浴室へ消えた。
一方俺はというと、ソワソワとソファーに座る。こういう時って何していればいいんだろう。
妙に気まずい時間を一人で味わっていると、数分後に悠が浴室から出てきた。
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