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雅樹side
「ふっ…く、ん…」
馬鹿みてえだ。兄貴が上がった後のバスルームでうっかり勃って、抜くなんて。
湯気が蔓延する中に、兄貴の匂いがまだ濃く残っている。我ながら気持ち悪い。だけどしょうがないんだ。
俺は兄弟だけど兄貴のことが好きだ。好きで好きでたまらない。だからこそ家族という柵が厭わしすぎる。
「抱いていい?」と言ってしまったのは無意識だった。そのあと必死にごまかしたつもりだったが、能天気な兄貴なら簡単に騙されてくれただろう。
危機感を自覚させるとか大義名分を振りかざして兄貴を押し倒したとき、はっきりいってかなり興奮した。このまま兄貴をデロデロのトロトロになるまで犯せたらどんなに良いだろう。
それができないから一人で虚しく抜いている。無理矢理犯して兄貴を悲しませるなら、俺はずっとこの想いを隠し続けるだろう。
それでも想うことはやめられなかった。抱けたら、どんなに素晴らしいか。温かい兄貴の内壁に包まれてみたい。気絶するくらい快楽を与えて、鳴かせて、俺にすがらせたい。
想像しているうちに掌にヌルッとした感触があった。
吐き出した白い欲望は、そのまま俺の罪を表しているようだった。
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