まさかの合同練習

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まずは今の自分を見直して、氷室を徹底的に研究する。手の振り方、足のバネなど、参考になりそうなことはなんでもメモをする。そして実践。それの繰り返しだ。合わなかったら自分に合うようにアレンジすればいい。 そうして真面目に練習しているうちに、氷室との私情なんてすっかり忘れていた。関係がバレたらめんどくさいとか、そんなことも忘れていた。 だがいくら俺が練習に没頭していたとしても、ふとした瞬間に思い出してしまう。理由は簡単だ。氷室がちょいちょい絡んでくるからだ。 「ねぇねぇ、練習が終わったらちょっとカフェでお茶しない?」 そうやって絡んでくる氷室はいつも距離が近い。俺の肩を抱いて顔をこれでもかと寄せてくる。これには部員も不審そうな顔をして俺たちを見ている。 「今日は疲れてるからまた今度な」 「そっか…今度ね」 残念そうに項垂れているが距離は依然として近い。近すぎる。 ひっぺがそうとしても中々こいつは力が強くて苦労する。 氷室の絡みが嫌な理由として、関係性を知られたくない以外にも、俺が今は練習に集中したいということもあった。 俺が今ここまで真剣になる理由を与えてくれたのは氷室なのに、当の本人にベタベタと絡まれて複雑な気持ちである。 だがはっきり言って今は氷室の絡みが邪魔だった。
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