2398人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
蒼井side
昨日は明らかにやりすぎたよなー…。
五時間目の授業を話半分で聞く。視線は窓の外のトラックだ。
家に帰ってシャワー浴びて寝ると、だいぶ頭は冷えた。だがそれとともに募るのは後悔。
ああ恥ずかしい。
みんなの前で怒鳴り散らすなんてどうかしているよな…。
今日は曇天である。
寒々しい曇天だ。その灰色が俺の心にのしかかってくる。勘弁してくれ。
今日も氷室がくる。
どんな顔をして会ったらいいんだ。
まず謝るか?そうだよな、まずは謝ろう。昨日は言いすぎてごめんって。
そしたら?
その後なんの後腐れもなく今まで通り練習できるのか。
だがあのとき怒鳴ってしまった俺の言葉は本心だった。少なくとも俺の気持ちはバレてしまったわけだ。お前に勝てないかもって焦ってるって。
だせぇ。
この後の部活がいつになく憂鬱だった。いつもは早く終われと思う授業が、今日ばかりは後もう少し続いてほしいと思ってしまう。
だがあと5分で鐘はなる。
しょーがないよな、腹くくるか。
そうやって葛藤しているといつの間にか授業は終わっていた。
最初のコメントを投稿しよう!