海月

まさかの合同練習

その後の練習も空気は元に戻らなかった。

海明高校の選手にも昨日のことを謝って、笑って許してもらえたが、氷室だけは戻らなかった。

同じ練習をしているから、空気が悪いのは非常にやりにくい。俺が撒いた種だけど本当に後悔していた。

これでは前より一層氷室のことを意識してしまう。

氷室の顔色を伺うように、ご機嫌を伺うようになってしまう。
そんな俺の様子に気づいているはずなのに相変わらず氷室は他人行儀だった。

氷室は俺から自然に遠ざかっているように見えた。

あんなに今まで絡んできたのに、今はそれが全くない。
ここまで打って変わると調子が狂う。

あんなに邪険にしていたのにそう感じてしまうのは勝手だとわかっていたがどうしようもなかった。

正直、この雰囲気で大会を迎えてしまうのは自分にも良くないと感じ始めていた。
精神面でうまく行っていないと結果もついてこない。
そんなことは今までの経験から明らかだった。

どうにかしなければ。

そう考え込んで、俺はまた深みに嵌って行ってしまうのだった。