まさかの合同練習

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「ひぅっ…」 俺の抵抗も虚しく、俺の下半身は一糸纏わぬ姿となった。 同級生の男にこんな風に軽々と陵辱され、その屈辱で消えてなくなってしまいたかった。 気がつくと頰に一筋の冷たい感触が走る。 「…蒼井、泣いてるの」 俺は友達だと思っていたのに、良いライバルだと思っていたのに、「対等」だと思っていたのに。 こんなことをされて、そんな俺の思いも踏みにじられたような気がしてただただ悔しかった。 「そんなに俺が嫌?」 ああ、何も分かってないんだなこいつは。 なぁ知ってるか? 俺最近気づいたんだよ。 実はお前からの告白が結構嬉しかったって。 お前の真剣な気持ちに、自分なりに向き合おうとして葛藤してたんだって。 自覚するのが遅すぎるけど最近気づいたんだよ。 遊佐先輩と恋人ごっこをして、落ち着くけどどこか違う気がした。 俺の居場所はここじゃないって感じてしまった。 じゃあ俺の居場所はどこだ? お前の隣じゃダメか? って、考えたし言おうとしたんだよ。 俺はお前と「対等」でいたいんだよ。 ライバルとしては勿論だけど、お前とならその先まで見える気がしたんだよ。 遊佐先輩に気づかされたんだ。 じゃあお前にとって俺は何? お前が俺に望む関係って何? 俺を支配したらそれで満足、それで終わりの関係なの? 少なくとも俺は違うよ。 俺はお前とずっと、一緒に走り続けたいんだ。 お前と走る時が一番楽しいんだ。 生きてるって感じるんだ。 なのに、お前は俺のこの想いさえも踏みにじるのか? そこまで考えた時、俺の口が勝手に言葉を紡いでいた。 「もう、好きにしろよ。お前がそれで満足するなら」 どうだっていいや。
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