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「本当に好きにしていいの?」
氷室の目は俺の発言の真意を探るようだった。
別に言葉の意味のままなのに。
「いいよ別に。俺はもう疲れた」
「何に」
「悩むこと。葛藤すること」
「悩んでたの。俺のこと考えてた?」
「ああそうだよ、意識しないとでも思ったか?でもお前が欲しいのは結局俺の身体なんだろ?」
何が悲しくてこんな女々しいことを言わなきゃならない。
「結局私の身体目当てなんでしょ!」なんて、つまらないメロドラマみたいだ。
「俺だって蒼井の全てが欲しい。でも、正攻法じゃダメなんだ。蒼井は俺のものにならない」
その一言で、氷室は俺を信用してないのだと思った。
俺の気持ちを。
「俺がお前を自然に好きになる可能性は?」
「好きなの?俺のこと」
そう言うと氷室は俺の芯を軽く握った。
そのまま緩く上下に動かし、亀頭をグリグリと親指で押す。
声を抑えるので必死だった。
「嘘つき」
氷室が俺の耳元で囁く。
酷く冷たいその声に、恐怖を感じた。
手の動きが速くなる。
「くっ…あ、…やぁっ!」
自分のものとは思えぬ喘ぎ声が止まらない。
気がつくと俺は氷室の手の中で果てていた。
脱力感で茫然と氷室を見上げる。
氷室は手の中の俺の白濁を暫く見つめた後、目をつぶってゆっくり舐めた。
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