その種、頂戴します。特別番外編2(※前編)

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「そ、そうなんです! 貴方との子……あっ!」  反射的に小さな悲鳴を発した。言い終わる前に、視界が後方にグラついたからだ。誉の身体は柔らかなソファへとゆっくりと沈んだ。 (――え?)  何が起こったと、目を丸くした。眼鏡越しに映るのは白い天井と……。 「――誉さん、そんなに俺が欲しかったのですか?」  雄欲を滲ませた藪中の顔だった。 「へっ?」  訳がわからないと、見下ろしてくる番に向かって瞬きを繰り返した。 「いいですよ。でも極力、優しくしますね。もしかすると……ねっ?」  意味深な笑みを覗かせながら、藪中は素早い動作で自らのネクタイを抜き解いた。上質な衣擦れの音がやけに大きく聞こえた。 「ちょ、ちょっと、藪中さん……?」  彼は少し勘違いをしているようだ。しかも、マズイ展開になっている。 「誉さんって、意外にエッチですよね……いつも俺を物欲しそうに見てる。嬉しいです」  頬を引き攣らせていると、藪中は喜色満面で言った。どうやらこの男は誉が欲情したと思い込んでいるようだ。 「はっ!? 貴方何を言って……はぅ、あっ……ん!」  聞き捨てならない。  しかし、反論しようとした声は色付いた喘ぎで飛んでしまう。藪中が両手を使って誉の薄い胸板を撫で繰ってきたのだ。猥りがわしい手付きだった。 「ああ、服の上からでも膨らんでいるのがわかりますね。コリコリしてます」  指腹で胸の突起を何度も柔く擦られた。 「っはぁ……っ、やだ、待って……お願いっ、ああっ、ん!」  たったそれだけなのに、臍裏がキュンと疼いた。尻奥の器官が怖いくらいに反応していた。誉は過剰なほど身体をビクつかせて悶えた。
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