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「今日はどうしたんです? 凄く敏感ですね……可愛い」
愛情もたっぷりに、ちゅっと、頬に口付けを落とされた。
「っん、だって……」
違うと、誉は懸命に訴えようとする。妊娠中の性行為は確かに禁止ではないが、子宮への刺激はよろしくない。しかも今は大事な時期だ。
「だって?」
尖りを摘ままれたかと思うと、コリッと圧し潰された。衣服の下で硬くなった胸粒が卑猥に変形するが伝わった。
「っ……ああ! ダメ……これ以上したら」
「したら?」
本当に止めさせなければと、誉は息を大きく吸い込むと――。
「っ……お腹に障りますっ!!!!」
甘い熱を絶ち切って言い切った。大きな声は部屋中に響き渡った。
「……何です……って?」
ピタリと、愛撫が止まる。藪中は口をポカンと開けていた。今一つ理解していないのだろう。
「ですからっ! お腹に子供がいるんです……赤ちゃんが、出来たんです」
「赤ちゃん……?」
一言だけ藪中が返してきた。その声は少し震えているようにも聞こえた。
「はい……少し前から体調がおかしくて、今日、検査をしましたら陽性反応が出ました。すぐに産科医に診てもらいました。今、妊娠二か月目です」
わかりやすいようにと、今日の出来事を詳しく報告した。
「…………」
しかし藪中は無言だった。驚いた表情で誉の下腹部を見つめているだけだった
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