その種、頂戴します。特別番外編2(※前編)

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 誉は吐露し続けた。 「状況や体調はちゃんと見極めて働きますし、お腹の子は何が何でも私が護りますから、ですから……」 「……()が?」  藪中の眦がピクリと動く。 「はい、護ります……絶対に元気な子を産みます」  強い意志を表明した。しかし、それはすぐに否定される事となる。 「――誉さん、それ間違っていますよ」  厳しい口調で言い放たれた。瞳にも鋭さがあった。怒っているようにも感じる。 「な、何がです?」  誉は強張った顔で問い返した。すると――。 「誉さんと俺の子なんだから、二人(・・)で護るんでしょう?」  険しさから一変、藪中は双眸を柔らかく細めた。 「ふ、二人で?」 「そうでしょう? 確かに、お腹の中で命を護るのは誉さんだけど、そんな誉さんを全身全霊で護るのは俺しかいない」 「っ……」  確かな包容力と男らしさに誉は喉の奥で声を震わせた。 「絶対に産みましょう。何があっても俺が護りますから。でも、無理はしない事。安定期に入るまで、休む時は休む。お腹の子を第一に行動をして欲しい。この全てを約束してください……いいですね」 「藪中さん……っ」  理解を示してくれた番の胸に、誉自ら飛び込んだ。その身体を藪中は愛情いっぱいに抱き止めてくれた。
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