その種、頂戴します。特別番外編2(※前編)

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   背筋の奥から性電流が走る。誉の屹立も爆ぜる寸前で、ピンク色の切っ先からは、まるで粗相をしたかのように透明な蜜汁がダラダラと零れていた。 「誉さんの乱れる姿……最高にたまらない。さあ、イきますよ。俺の全部を……貴方にあげます」  上体を曲げた藪中が唇を寄せてきた。誉は舌を小さく出して口付けをせがんだ。すると――。 「あっ、路成さ……ぅん……んぅッ!」  唇が深く重なったタイミングで、藪中が最後の一突きを行った。力強い打ち付けと一緒に、雄の穂先が子宮口を潰すようにして抉ってきた。入り口がぐちっと開かれる。その直後だった。完全受精を狙った熱の射撃が放たれた。藪中が達したのだ。 「――……っぅ!!」  喉奥で悲鳴を発した誉も全身を大きくビクつかせながら熱を爆ぜる。隙間なく密着した胴体は汗と精塗れとなっていた。 (ああ、凄い……熱い……)  意識が抜けるような絶頂だった。  胎奥が濃密な白濁を悦び飲み込んでいる。その熱は相変わらず夥しい量で、身体の内から甘く焦げそうだった。しかも放出はまだ続いていた。藪中の射精はとにかく長いのだ。 「んぅ……ん」  口付けたまま誉は苦しげに呻いて、首を仰け反る。それでも口付けは執拗に続いた。 (苦し……っ)  酸素を求めているのか、脳がクラクラしていた。 「っは……誉さん」  藪中が腰をブルリと痙攣させる。やっと出し切ったようだ。しかし、深く埋まったままの竿肉は一向に抜けてくれない。放った子種を一滴たりとも漏らさないようにと、根元は膨らみを誇ったままだった。
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