第4話〜作成師、商人と出会う

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第4話〜作成師、商人と出会う

「だから言ったであろう優秀な護衛がいると。」 そう言っておじさん商人は、男に近づき言う。 「ちょっとミハエルさん。あんまり煽らないでよ」 「そうだぞジジイ、あんまり調子乗ってると死んじまうぜ。」 俺がぼーっとしていると綺麗な女の人の声と野太い男の声が聞こえた。 「事実を言ってやっただけじゃろうがい」 そう言っておじさんは反論していた。 「それと、お主ら護衛じゃろうがい。もうちょっと雇い主をいたわらんか…」 そうおじさん商人は野太い声の護衛らしきものに言っていた。 「ははは!別にいいじゃねえか!…それよりだ」 「なっ、なんだよ!お前ら!お、俺は悪くねえからな!そこのジジイと【欠陥品】が悪いんだ!」 そう言って捲し立てるのは先程おじさんを襲った店主。返り討ちにあった際に手首をくじいたのか抑えながら泣き喚いている。 「は?…おいおい。襲っておいて悪くねえはねえだろ。」 「そうよ、あんた。私が入ってなかったら今頃はこの人殺して牢屋入りになって鉱山送りで一生よ?」 そう言って2人の護衛は店主に言う。 「わかったか?お前、それが分かったらとっとと家に帰ってママのお乳でもしゃぶってろ。」 「くっ、クソ!覚えてやがれ!」 そう言って荷物をまとめて店主はどこかに行ってしまった。 「おい、儂の許可なくなんで逃がしとんのじゃ、襲われたの儂じゃろうがい」 「いや、別にいいじゃねえか。どうせジジイもそうしてたろ?」 「そうじゃが、まあ良いわ。それより…見物していた皆の者よ!不毛な争いに巻き込んでしまって申し訳ない!お詫びとしては明日から儂の商品が売り出されるから割引にしよう。ただし、見てたものじゃからな!」 そう言って商人は群衆に呼びかけていた。 それを見ていた俺は商人というものの才能はこんなにも凄いのかと同時にお金があるからこんなことができるのだろう、自信があるからこんなことが出来るのだろうという気持ちになり、ましてやどちらもない自分が惨めになった。 「おい、坊主。大丈夫だったか?」 そう声をかけてきたのは護衛の1人の男だった。 「あ、ありがとうございます。」 「ちょっと、あんた顔怖いんだから手加減しなさいよ!」 「いって!、何すんだこのアマ!」 そう言って男の頭を叩いたのはもう1人の護衛の女の人だった。 さっきの喧騒であまり見ていなかったがどちらもカッコよく綺麗な人達だ。 「あ、全然怖くないですので、大丈夫です!」 「お?そうか?なかなかいい事言ってくれんじゃねえか坊主。」 「ねえ、坊や名前は?」 そう言って女の護衛が聞いてきた。 「ギ、ギルスです!クラカル村宿屋の息子のギルス16歳です。」 「あら、いい名前ね。私の名前はミラ、ミラ・ウィンストンよ。覚えててね坊や」 「お、名前教えんのか、じゃあ坊主俺の名前はなフレイだ、フレイ・オークスだ。俺の名前も覚えとけよぉー坊主。」 そう言ってミラさんとフレイさんという名前を教えて頂いた。 「は、はい!ミラさんとフレイさんですね。あと先程の方は…」 「あぁ、あの人はねミハエルさん。私達の雇い主のミハエル・ジーニアス。ミハエル商会って所の商会主さんよ。覚えておいて損は無いわ。」 「商品主さんですか…すごい方だったんですね。覚えておきます。それより、ミハエルさん行っちゃいましたけど追いかけなくて大丈夫ですか?」 そう声をかけると 「あら、そうね。そろそろ追いかけようかしら。それじゃあまたねギルス君。」 「坊主、またな」 そう言い残して2人のと1人は群衆の中に消えていった。 「ふぅ、そろそろ俺も帰るか。」 そう言って波乱万丈な一日を終えて俺も帰宅することにした。
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