写り込んだもの

　近所に中古のものを売っている店がある。家から自転車で１５分くらいの距離だ。店舗は２つに分かれていて、一方は洋服や雑貨。もう一方はＤＶＤやパソコンと言った家電類が置かれている。瑠衣は特に欲しいものがあったわけではないのだが、学校帰りにこの前を通るので暇つぶしに寄ってみた。まず洋服のところに行くと３００円や５００円でワンピースやセーターが売られている。他人の着たものは嫌だとお母さんは言うが瑠衣は別に気にしない。黒くて赤いリボンの飾りが付いたハイネックのセーターを選んで、レジに持っていった。

　セーターの入ったビニール袋を持って隣の家電コーナーに行く。テレビゲームのソフトもあるし、ＤＶＤなんかも置かれている。奥にはジャンクコーナーがあって、使えないノートパソコンやＤＶＤプレイヤーなんかが置かれていた。瑠衣はそこで昔あったような型のカメラを発見する。

　なんか、アンティークでお洒落なカメラだと思った、部屋の飾りにしようかなと考える。瑠衣はカメラをレジに持って行って買った。５００円、安い買い物だ。これが本当に写真を撮れたら儲けもん。従兄の海くんはカメラオタクだし、もしかしたら使えるように直してくれるかもしれない。それが無理だとしても置いておくだけでレトロに装飾した部屋に似合いそうだ。