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「俺とあかねがお互い違う人に一目惚れしていたって気がついて、俺は弟にすぐにあかねを会わせた。弟に恋ってものを知って欲しくて。お菓子以外のあいつの楽しみがあかねだったよ。まぁ、あかねは俺をひとみちゃんに会わせてくれなかったけど」
可笑しそうに「自分だけいい思いしやがって」と笑らっている。
「もしかして、あかねが付き合っていた人にもう会えない........って泣いてたのって」
「別れたんじゃないよ、死んだんだ」
「........っ」
盛大なる勘違いをしていたことに気がついて、申し訳なさでいっぱいになる。
「あかねはなんで?」
「病気です。でも最期の最期まで弟さんとの思い出を話していました。もしかして、今頃一緒にいるのかな」
「........きっといるよ。もしかしたらアイツらが俺らを出会わせてくれてのかもな」
フッと尊さんが笑う。
「........尊さん、ごめなさい。勘違いとはいえ尊さんを騙すようなことして」
「いいよ。だって、ひとみちゃんがそう思ってくれないと俺はひとみちゃんにまた出会えてないよ」
「でも、どうして気が付かなかったんですか?あかねの双子の妹だって」
「だってあかね、俺に名前すら教えてくれなかったから。まさか偶然にもあの時一目惚れした子が現れるなんておもってなかったよ」
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