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なぜだろう。
佐川を見ていると、彼に言いよる女子高の生徒たちが不潔に見えた。
品が無い、と思うのと同時に、彼女たちが近づくことで、佐川が汚れる・・ そう思った。
人間に「美」というものがあるのなら、それは佐川のような男を指すのではないか、そう思った。
更に「美」について、
「美」はそれを堪能することができない。なぜなら、本当の「美」はまともに正視することができないからだ。
男と目が合って、顔が赤くなる。そんなことを初めて経験した。
だからと言って、佐川という男に恋をしていたわけではない。
基本的に、僕は男には興味はなかった。当然、性的な欲望も起こらない。
不思議に思われるかもしれないが、
「美」を崇める心と、人を好きになる恋心は、別ものなのだろう。
そして、こうも推測した。
・・佐川自身が、自分の美しさに気づいてないはずはない、と。
佐川は、自分が美しいことを知っている。
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