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「まさかこんなひでえ状態のままだらだら練習続けて本番に臨もうってんじゃねえだろうな?」
ゆらり、と椅子から立ち上がって一同を睥睨する。その視線が固まる生徒達をじっくり睨め回し、最後におれのところで止まった。顧問であるおれの意見を聞かせろってこと……ですか。突然のキャラの変貌ぶりにさえ頭が追い付かないまま、引き攣り笑いを顔に貼り付けて恐る恐る口を開く。
「た、確かに今のはちょ~っと、その、ばらばらでしたけど……えと、そんなにダメ、でしたか、ね……?」
情けなく上擦った声で訊くと、相葉さんの目が「くわっ!」と見開かれた。
「あぁ!? 何言ってんだ? こんなんでコンクールなんか出たらいい恥さらしだっつうの。信じらんね。マゾなのか? あ?」
「い、いえ、違います……」
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