弱小合唱部がコンクール地区予選を通過した理由

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 ぶんぶん首を振りつつ何だその間抜けな返事、と内心でセルフ突っ込み。けれど相葉さんはもう完全におれへの関心を失くしたようで、ステージ上で固まり続ける生徒達に視線を移した。 「アタシが伴奏するからにはこんな小学生みてえな合唱はさせねえぞ。お前ら、気合い入れろや!」 『は、はいっ!』  気迫の活を入れられて生徒達の背筋がびっと伸びた。  それからはもう相葉さんの独壇場だった。 「口開けろ口! ほらそこのひょろメガネ! お前だお前! 口ン中に拳ねじ込むぞ!!」 「読経してんじゃねんだからリズム取れリズム!」 「そこの女子! ふらふら頭動かしてんな! 人間メトロノームにでもなるつもりか!!」  ……ってな具合に、容赦なく鋭い指摘を飛ばしまくる。伴奏しながらでも生徒達の様子に隈無く目を光らせているから気も抜けない。もちろんおれが口を挟む隙なんか一ミリもなかった。
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