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陽「で、何か用?」
雅「今度花火大会があるのは知ってる?」
陽「花火とかここ最近音だけはずっとしてんじゃん」
雅「今度この近くで開催されるんだよ。だからもし良かったら僕とどうかな?」
陽「えっ…?」
まさかの季節限定イベントへのお誘いかよ。
正直花火は観に行きたいが、夜だし浴衣だろうし二人きりだし。
ちょっと考えただけでも俺にとって危険がいっぱい過ぎるイベントだ。
でも普段は朝以外、ほとんど引きこもり同様の生活を送っている俺としては結構心引かれるものがある。
最近良く聞こえてくる花火の音のせいかもしれない。
もし、山田さんとなら迷いなく参加を決定してたんだけどな…
雅「迷ってるって顔だね」
陽「まぁな」
雅「じゃあしばらく迷ってて」
陽「はぁ?」
雅「悩んでる間は僕のことを考えてくれてるって思えるから。少しでもサル君が僕のことを考えてくれたら嬉しいしね」
こ、こいつ、普通の恋愛みたいなことも言えたのか!?
出てくる言葉が全部、エロしか考えてなかったようなやつが…
雅「何だか失礼なことを考えてそうな顔だね。僕は確かに君の身体に興味はあるけど、君の心が伴ってなければ無理矢理みたいなことはしてこなかったつもりだけど?」
そう言われてみれば、山田さんを好きかもって思いだして他を拒否り始めたくらいからこいつには何か言われはしたもののされてはいない気もする。
たまに俺の乳首チェックみたいなことはしてきたが、それ以上があるわけでもなくあまり危機感を感じなかったのも確かだ。
雅「わかってくれた?」
陽「ま、まぁ少しは俺の気持ちも考えてるってのは」
雅「そういうことだから、悩んでから決めて。それじゃあ僕はお茶を飲み終わったからお暇するよ。おやすみ」
油断していた俺の頭をひと撫ですると、自分の分の湯飲みとお盆を持って去っていった。
何だか急に大人しいと逆に気になるやつじゃん。
そもそも雅は顔が結構タイプなのだ。
タイプの顔のイケメンに普通に口説かれたら少しくらいはドキッとしなくもない。
たださっきは悟られてはいなかったようだ。
良かった…
悟られて心伴ってる判断されてたら間違いなく、俺の乳首は開発済になっていたことだろう。
とりあえず明日の朝も山田さんに会いたいので早々に眠ることにした。
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