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佐野 陽(さの あたる)、21歳。
趣味はBLゲームで悶えること。
恋人いない歴=年齢の俺は当然のごとく童貞処女だ。
そんな俺は何故だかわからないが念願だった、和風BLゲーム『雨夜の月』への潜入を果たした。
俺は主人公、当然モテモテだ。
身長低め、顔は悪くはないが良くもなく、鍛えてないが太ってもない何とも平凡な俺。
リアル世界ではモテる要素のないそんな俺に突然やってきたモテ期。
調子に乗るなって方が無理がある。
始めこそ誰とのendを迎えようかと悩んでいた俺だったが『みんな俺を好きならみんなのものになっちゃえばいいよね、ゲームだし』的ノリで禁断のハーレムendを選択したのだった。
ちなみに公式側が『禁断』と付けているだけで俺自身は全く禁断だとかは思っていなかったので、あしからず。
このゲームはそこそこアダルト向けだ。
endを迎える前から全然身体の関係は有った。
だから俺もすでに乳首は開発されかけだし、指の1、2本は余裕で挿れられたことくらいはある。
ハーレムendでは複数プレイはもちろん毎晩代わる代わるやら日常のどんな場面からでも行為が始まる、別名俺の身体が持たないよendでもあった。
何故それを選んだかって?
そりゃ、お年頃の俺としては気持ちいいこと沢山とか願ったり叶ったりだからだよ。
……正直、自分でも語ってて少し前の俺の頭どうかしてるなって引いたわ。
若気の至りってことで大目に見て欲しい。
それで、今言った通りハーレムendを目指してたのは少し前の俺。
そろそろこっちに来て二年位になるから約一年前の話だ。
その後の一年はかなり本気である人のことを想ってきた。
今日もそろそろその人との逢瀬の時間だ。
一日に一度きりのチャンス、絶対に逃せない!!
?「サル君が筆と硯を持ち出すなんて珍しいね」
陽「げっ…」
せっかくの楽しみの前に開かれた襖から邪魔者が姿を現した。
とりあえず書いていたものを手早くしまう。
こいつはメインキャラの一人、雅(みやび)。
一番歳上のキャラでまぁ、優しい。
もちろんイケメンで長身で身のこなしはそれはそれは優雅な彼。
今も肩に掛かるか掛からないかくらいのこげ茶色の髪を耳に掛ける姿で決めてきた。
何でも絵になりやがって…これだからイケメンは。
他に二人、この屋敷には存在しているがその中ではまだ割りとまともな方ではある。
ただし、割りとってところを強調させて欲しい。
何を隠そう俺の乳首開発を遂行していたのはこの風流絶倫野郎だ。
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