17人が本棚に入れています
本棚に追加
…慶司・side…
第1試合場…
隣の第二試合場…
ホイッスルが鳴る
隣の歓声…決めたのか?
確認したいけど…できない…
俺は今…小泉と優勝を争っている。
女子は試合時間三分
…てなことは、あと二分
くっ....危ねぇ....
小泉の竹刀が俺の小手頭をかする
俺よりやっぱり強いのかな?
Aチームの一員だもんな、
あの人が大将務める…
....いいや、俺の方が強いはずだ....!
高体連では会うこと無かったけど
中体連の予選…今まで会っても
勝ち数は俺の方が多かったハズ
ぐるぐる迷う俺の頭の中
集中もっとしなければ....
さっきの面決まっていれば
....眉間に凄く力が入る....
あとどれくらいだ?
つばぜり合いでお互いに牽制し合う
その時に俺の耳に聞こえる声
それは…恋人の声
体育館揺れるほどの歓声の中
かき消されて…
*・゚・*:.。.*.。.:
…響・side…
第1試合場周辺にて…
「黙って見ていろ!」
どういうつもりか....わからない
慶司に声をかけようとしたら
主将の乾さんに口を塞がれた
後ろから肘をぐっと掴まれた
…応援するなと…
「わけわかんないッ!」
私は、振り切って前に出る
右や左にお互いに
つばぜり合いで牽制し合う
慶司の姿が見えた
大きな歓声の中私は声をあげる
聞こえないかもしれないけど
慶さん....約束したよね?
「慶司!!私は決めたぞ!!
約束守れよッ!!」
一瞬目が合って
微笑んだ気がした
聞こえてる?
*・゚・*:.。.*.。.:
…慶司・side…
目線を上げると響が見えた
暁雲塗の胴
山口と刺繍された垂れゼッケン
間違いなく響の声
大きな目をより大きく開けて
声を張り上げて…
そっか…決めたんだな
それじゃぁ....俺も....
約束したもんな…
アベック優勝ッ!
俺は気合いを入れ直す
お互いに引き面ッ!
三人の審判の旗は動かず
そりゃそうだ
俺は元打ち、小泉は俺の竹刀
そこを打っている
....勝負だ!小泉
俺は中段に構えた
最初のコメントを投稿しよう!