大声選手権!

2/6
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 ***  一週間後。選手権が始まりました。  リサは他の人に負けないくらい、大きな声で叫びます。 「ああああ!」  しかし、集まった選手はみんな、大きな声で叫ぶことが得意な者達ばかりです。  一回戦では、十人のうち三人だけが次の試合に進めます。  リサはギリギリの三位になってしまい、とても悔しい気持ちを味わうことになってしまいました。 「リサ、一位になった奴は、薬を飲んで大きな声を出していたらしいぞ!リサもそれを飲まなければ勝てないぞ!」 「わかったわ、お父さん!」  一回戦でも、少しだけ賞金が出ます。けれど、貰えるのは一位で通過した選手のみです。  一位になった女の子が、賞金で可愛いお人形を買っているのを見て、リサは悔しくてなりませんでした。  お父さんが買ってくれたお薬は、十万円かかります。しかし、優勝すれば十億円が手には入るのですから、これくらいは大した出費ではありません。  リサはお薬をぐびぐびと飲んで、前より二倍大きな声が出せるようになりました。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!