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結婚
「話しは変わるけど」
地元の事は何でも知ってる情報通の理奈が切り出した。
そのフレーズに、麻衣は会話に戻った。
「小春知ってる?」
「バツ3だよ!」
「えー、小春が?」
みんな驚きの声をあげた。麻衣も驚いた。
「しー、ちょっとあまりおおきな声出さないでよ」
理奈は焦りながら、ボリューム調整を要求した。
バツイチは風の噂で聞いたけど、バツ3とは驚いた。
小春は、普通の子だった。すごく目立って派手というより、どちらかというと物静かな子だった。麻衣の記憶にはそんなイメージだ。10年前の同窓会にいたかも思い出せない。
理奈は話を続けていた。
「バツイチではそんなに驚かないけど、バツ2を超えて3だよ」
「子供、3人いるけど、全員、父親違うんだってー。それと全員男の子」
「3番目の旦那も、バツ2と結婚ってそれなりの覚悟あったと思うけどね」
「バツ2とは言わず、バツ1って事にしたんじゃない?」
「あえて回数はいわないとか」
「それ、詐欺じゃん」
「バツイチです!っていわない限りはセーフなんじゃない?子供いるし、バツがついてます、とか」
「まぁー、そうだね」
「スマホでバツイチってうったら変換されるけど、バツ2とか、バツ3は変換されないからね。Siriもまだ想定してないって事だよね」
「もうそろそろ、バツ2は変換できるんじゃない?2まではあるでしよ」
長い間、小春の話しは止まらなかった。
バツ3かー、ここでも、麻衣とみんなの温度は違っていた。
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