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未来
しばらくして、やっと長かった同窓会が終わった。
楽しくなかったとまでは言わないが、長かった。そして、何だか切ない気持ちになっていた。エネルギーが抜け落ちていた。
ゆりは、もともと一次会で帰る予定だった。明日の朝早く彼の実家に行く予定になっていたからだ。
麻衣は二次会は保留になっていたが、もちろん、ゆりと帰ることにした。エネルギーがなかった。
帰りの車の中で、ゆりに麻衣の気持ちを話した。
ゆりは、大笑いした。
「あっ、なるほどねー、麻衣、おもしろい」
「そんなこと思ってたの?」
「面白すぎる、その発想。バツにリスペクトかー」
ゆりに慰めてもらおうと思ったら、ゆりは大笑いしていた。
「もう、ストライクゾーンもマックスに広げてるのにー」
麻衣はゆりに何もかも話した。
切ない話の予定が、気付くと二人で大笑いしていた。
笑いが落ち着いた頃、ゆりが切り出した。
「麻衣、これからだよ。これからの新しい未来を楽しみにしなよー」
「先の決まってない未来に期待して今はワクワクする時期だよ」
「そんな、ストライクゾーンも広げなくていいし…。こんなに面白い麻衣をほっとく人はいないよ」
「私も麻衣の未来が楽しみだし、そのままで大丈夫だよ」
「ありがとう」
ゆりは小学校の頃からそうだった。今でも変わらない。ゆり、ありがとう。
ゆりは絶対に幸せになるなー、素敵な女性だもん、麻衣はそう思った。
ゆりの言葉で、麻衣は何だか未来が明るく感じた。私らしく頑張らないとね。
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