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「女子って大変だね…」
「本当に…っていうか相談なんだけど、実は普段仲良くしてるメンバーで私と家が同じ方面な子がいなくて、あたし今1人で帰ってるんだよね…もしよかったらなんだけど…」
「明日から送っていけばいい?」
「そう!そうしてもらえると助かる。」
俺と早田さんの家は街中に近いが、学校周辺は郊外で、特に俺達の家への方角は人通りが少ない路地が目立つ。
女子1人、徒歩での帰宅は、だいぶ心細いだろう。
「OK、引き受けた。」
「ありがとう。ごめんね、こんな自分勝手なこと頼んで…」
「大丈夫大丈夫、俺も帰り道暇だし。」
それからいくつかやり取りをして、ボイスチャットを切る。
そこでふと思った。
俺、ちょっと頑張ったらこの子と付き合えるんじゃね?
俺のその思いつきは、すぐに頭の中から出て行った。
彼女に対して初めて下心を持った瞬間だった。
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