出会い

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翌朝の学校から、俺は早田緑を少し注意して見るようになった。 友達の少ない俺、灰沢瞬に比べて彼女は社交的なようで、常に周りに人がいるように見える。 クラスの女子のグループの中では、一番平和なグループに所属しているようだ。 (と言っても、うちのクラスはいわゆる女子同士の派閥抗争と言ったものは無く、オタクっぽいグループ、陽キャっぽいグループ、どっちとも喋るグループの3つにふんわりと分かれている程度だ。早田緑は、どちらとも喋るグループに所属している。) 誰とでも分け隔て無く、笑顔で喋る。 そんなやつが、なんであんな特殊性癖の沼にハマったんだろうか… ハマってる歌手も、ゲームも、陰キャオタクが相当拗らせなきゃ辿りつかなさそうな境地なんだが… 授業はどんどん過ぎていく。 さりげなく確認すると、彼女の席は後ろの方で、授業中はいつも寝てばかりいた。 なかなかキャラが濃い人物だ。
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