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敦はJKとパパ活?
「春菜ちゃん、今日は遅番なんだ」
辻優子(優子)は、残念そうに言った。
「早番だったらお茶したかったのに」
優子は最近、お化粧が上手くなっている。髪は艶めき、ヘアアイロンで仕上げているのがよくわかる。前はそんなこともなかった。優子は離婚組であるが同じシングルマザーである。だから、誰よりも仲がよい。
お昼休みに入る前の優子にロッカールームで会った。
月曜日なら早番よと言うと、優子も同じだったらしく、お茶をする約束をした。
今日は春物の新作が入荷するので忙しくなる。頑張らないと。制服にいいものがありますように!楽しみ♪
2時になった。休憩時間だ。
休憩入りますと店長に一言いうと7階に向かった。
「宮内さん!」
スタッフ専用扉を開けようとして振り返る。メンズイズムの店員の高畑浩二ではないか。敦がよく行くショップ定員だ。
「土屋さんの事なんですが」
敦の事?
高畑も同じくお昼休みらしい。
いつものように透明バッグに財布など詰めた。外で高畑が待っていた。
一緒に食堂に入る。
「パスタにしようかな」
高畑も同じ考えだったようで一緒に並んだ。
気になる。敦の事で何かあったのかしら。
トマトクリームパスタにした。
高畑は鶏肉とキャベツのスープパスタの大盛りだ。
高畑がはじの方の席を取る。
あまり、人には聞かせたくないのかしら。マイナスな考えがよぎる。
高畑は、パスタに手をつけずに話し始めた。
「土屋さんってパパ活の餌食になってませんか?」
私はゆっくりとパスタを口に運ぶ途中だった。フォークとスプーンが音を立ててパスタ皿に落ちる。
「高校生くらいの子に洋服を何着か買ってあげてて。靴なんかも買ってあげてたんですよ。先週の日曜日にたまたま休みで見ちゃったんですよ。Honeysて店なんですけどね。彼女の買い物について行ってたんですけどね」
あら、かんなの好きなショップじゃない。
写メ撮ったんです見てくれますか。と高畑はこっそりとスマホを取り出して写真の中から見せてくれた。
ん?んんん?!
可笑しくて笑いそうになった。
高校生を私は指差した。
「この子は、私の娘よ」
かんなは化粧をしている。高校生に見えなくもない。
それにしてもあの2人、いつの間に仲良くなったの?
「えー、宮内さんの娘さん⁈」
くっきり二重の卵型の小さめの顔。私は奥二重で丸顔。あまり、似ていない。かんなは美形である。
声大きいわよと言ってしーと、人差し指を立てた。
高畑は慌てて口をつぐんだ。
いつだっか今日は出かけるから礼拝には出れないと言った事があった。私はクリスチャンだ。敦は無宗教だ。でも、日曜日の礼拝には必ず来てくれている。
パパ活と言えばそうもみえるよね。
「土屋さんっていい意味でやさしいですよね」
高畑は安心したのかパスタを食べ始めた。
あの2人、なんだかんだ言って仲よかったのね笑
クスッと笑うと私もパスタを食べ始めた。
「だってえ、洋服ほしかったんだもーん」
かんなは、チャーハンにスプーンを差し入れながら答えた。
「まみこは礼拝だから頼めないしさ。頼んでも先月買ってもらってるから無理だし」
かんなはチャーハンを口にした。
それにしてもパパ活みたいなものよね。
呆れながらも私もチャーハンをスプーンですくった。
「でもさ、パパ活に見えたのは草生える」かんなはコロコロと笑っている。
「ぱぴこはまみこしか見てないよ」
かんなはよりコロコロと笑っている。
「え?」私はドキッとした。
「だって、ぱぴこのホーム画面まみこだもん」
チャーハンがポロポロとお皿に戻っていく。
知らなかった。スマホなんて気にしてなかった。私は、ジョニーデップにしている。だからといって何かを言われることはなかった。
「まみこもジョニーからぱぴこにしたら?」
「仕事場で見られたらどうするのよ」
優子にはまだ、言ってないのだ。見られたらいろいろ聞かれるのが嫌なのに。
「いいじゃーん」とかんなは言ってチャーハンを口にする。
敦に夕飯終わったら電話しようかな。チャーハンを無言で口に運んでいった。
夕飯が終わり、お皿ななど洗うと急いでスマホを取る。
夜の10時半だ。大丈夫かな。
電話を掛けてみる。3分ほどして敦の声がした。
どうしたの?と敦の声が優しく聞こえた。
声が聞きたかったの。て言うと嬉しそうにしている
「そうなんだねぇ」
「うん」
ねぇ。と言うと素直にありがとうと私は言った。「かんなに聞いたの、洋服買ってもらったみたいで」
「内緒にしておいてって言ったんだけどな」敦は照れ臭そうにしている。
まさか、高畑から聞いたとは言えない。高畑の信用問題になってしまう。
「かんなちゃんとデート出来て嬉しかったよ。内緒にしてすまない」
電話口で頭をさげている敦を想像した。
「ううん、いいのよ。お金結構、使わせたよね?」
「そんなことないさ。次は、春菜とデートしたいなあ」
「明日、会えるじゃない」
「早く会いたいよ」
「そうね」
明日は珍しく土日休みだ。どこかに出かけたいな。
「出かけよう。どこがいいかな?」
敦は車で出かけよう。と言う。
「ドライブいいわね。川越なんてどう?」
「川越?あの芋だらけの?」
「お芋きらいだっけ?」
「いやあ、甘いものが食べられないんだよ」
「あら、そうだったの」
敦は悪い、匂いでもダメなんだ。と言った。
「横浜いかないか?」
赤レンガ倉庫いいかな。中華街もいいわよね。
私は二つ返事で答えた。
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