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2回目の夜
中華街を堪能しただけでかんなは満足のようだ。
「肉まん食べようよ」
「えっ?!」
「昼食前なんだけど、今から食べたらランチ食べれないわよ」
かんなは「は?いけるんだけど」と、体育会系のセリフをはいた。
「俺も肉まん食べたいな♪」
ここにもいたかあ!
かんなも敦もニコニコしながら肉まん屋を探している。
「元祖肉まんだってぇ!」
かんなと敦はすぐに行列に並んだ。
「まみこ早く!」
「私は遠慮しておく!」
「そうなのか、うまいぞ」
うまいからいいんじゃないのよ。中華料理食べたいのよ。この日の為にお金も貯めたのに!
フカヒレに北京ダックにツバメの巣。食べたいのよ〜泣
「ぱぴこ、それパンダだね」
「パンダまんだってさ。可愛いだろ?」
悲しいかな、パンダは耳から食べられていく。かんなは元祖肉まんを大口開けて食べた。
「エイチンロウ行くのに肉まんはないでしょう」
「別腹別腹」
2人同時に言った。
予約していたエイチンロウに着いた。どれだけ食べるのかな?財布が気になる。
「予約していた宮内です」
「宮内様、お待ちしておりました」
フカヒレに北京ダックにツバメの巣よ〜。
やっと食べれるわ。
奥まった回転テーブルに案内された。
「飲み放題にもできますがいかがなさいますか?」
「別に頼みます」
車で来ているし、私だけお酒という訳にはいかない。
「私、水でいい」
「俺はウーロン茶」
「私もウーロン茶で」
少しは場をわきまえて!
「かしこまりました」
紳士的な店員さんは、ゆったりした歩き方で消えていった。
本格中華満喫コースを予約していた。
2人には味分からないんじゃないかしら。
飲み物が運ばれてきて、まずは、前菜からだった。
「ザーサイ嫌い」
「あー、私もダメ」
「俺が食べてやるよ」
敦は嬉しそうにザーサイを食べ始めた。
「ザーサイを違うのに変えましょうか?」
「こちらの都合ですし、悪いです」
「大丈夫ですよ」
店員さんは、にこやかに2人分の前菜を持って消えていく。
「俺のザーサイが」
「やっぱり、老舗よね」
10分ほどして戻ってきた。
「温野菜でございます」
わーい、食べれる♪
特製ソースでお召し上がりください。
いただきます。と、頭を下げ、食べ始める。かんなも機嫌良く食べ始めた。
楽しい♪
次は、フカヒレよねきっと。
食べ終わって皿が下げられたと同時にフカヒレの姿煮が来た。
「フカヒレ〜」
私の目はハートになった。
初姿煮。
私は素早く3人前に区切り、取り皿に盛った。そして配膳。
「小さいな」
「こんなもんじゃないの?」
「高級品は、ちょっと味わうのがいいのよ」
3人して、黙々と食べた。
北京ダックにチャーハンが来たが分けると少ない。
「油淋鶏頼もうかしら」
「ゆーりんちーてなに?」
「唐揚げみたいなもの」
「唐揚げいいね」
油淋鶏を注文した。
後、餃子。
20分程して2つ同時に来た。
「おー」
敦は喜んでいる。きちんと3人前来ている。量もなかなか。
お腹いっぱいにやはりなりたい私がいた。
3人して、食いっぷりがいい。
老舗を忘れて食べていた。
ツバメの巣入り杏仁豆腐でシメた。
「カップラーメンミュージアム行きたい」
あら、下調べしてきたのかしら。
「私は赤レンガ」
敦は観光協会で貰った地図を見ながら「カップラーメンミュージアムが先だよね、かんなちゃん?」
「うん!」
「仕方ないわね」
赤レンガは回れるかしら。
3時を回っている。
「カップラーメン作りたーい」
「いいなあ」
「どんな感じにしようかしら」
麺だけ入ったカップ麺を渡されて沢山の具材の中からチョイスするのが難しい。入れ過ぎればこぼれそうだ。
3人して意外と楽しくカップ麺を作った。
「映画は観なくてもいいよ。目的はこれ作ることだったから」
歴代のラーメン達を見ては、懐かしいと敦。私もへーと言いながらラーメンを見ていた。
「なんか、古くさ。つまんなーい。赤レンガ行こうよ」
かんなはお土産も見ずにいる。
「お菓子とかは買わないの?」
「うーん、可愛いけどいらない」
赤レンガに行く事になった。
赤レンガ倉庫の中を見ていたら、あっという間に6時を回っていた。
「疲れたわね」
「ホテル行こうか。丁度いい感じだ」
「眠ーい」
10分ほど歩くと駐車場が見えてきた。
私たちは、先を急いだ。
ホテルに着いてすぐ、かんなは歯を磨き始めた。
「じゃあ、明日ね」
私の顔を見て頷いた。
かんなは、1人部屋がいいと言っていたので私たちは、一緒の部屋になった。気を使っているのだろう。
私はシャワーを浴びたい気分だった。
「一緒に入ろうか?」
敦はキスしてきた。舌が絡まる。
「ん…んあ」
優しいキスに溺れそうになる。
「脱ごうか」
ハンガーにかけながら脱いでいった。
「隅々まで洗ってやるよ」
お風呂に入っていく。
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