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対策2
前回は完敗だったが今回はそうはいかない。先生の優しい顔から発せられるマイナスイオンを防ぐことは諦めたけれど、1/f揺らぎのヒーリングボイスを遠ざける手段を私は見つけた。簡単だ。ヘッドフォンで音楽を聴き続ける。イヤホンじゃ心もとない。ヘッドフォンじゃないと。早速、兄の部屋に行き兄が嬉しそうにとってきたばかりの新品を箱ごと拝借した。
ヘッドフォンを装着したまま電車に乗っても何も言われなかった。絶好調。そして、先生が講義室に入ってきた。よし、音楽開始! と、私がアプリを起動した途端に、先生が「あぁー、君ね」と私に呼びかけた。
「講義の間はそれ外しなさいね」
普通に怒られた。
それから普通に寝た。
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