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「先生、さようなら」
「はい、さようなら」
じゅぎょうがおわると、みんなぞろぞろきょうしつから出ていく。ぼくはいつもみんなよりおそい。
「おい、マサシ。きょうも3じにこうえんな!」
ランドセルにきょうかしょを入れてると、アキトくんがせなかをたたいてきた。
アキトくんは小学校に入ってさいしょにできたともだちだ。ぼくはとてもはずかしがりやで、本とうは学校になんかいきたくなかった。はじめてきょうしつでみんなといっしょになったとき、ぼくはくらくらして目のまえがぐにゃってなった。
ぼくはそれから一人だった。だけどぼくはべつにさびしくなかった。ぼくはとにかく一人がたのしい。ほかの人としゃべるとしんぞうがドキドキして、ずっときんちょうしちゃう。
ぼくはべつに一人でよかったのに、先生とおかあさんがしんぱいなかおで、ともだちのことをきいてきた。ぼくは先生とおかあさんにいわれるのがいやだった。
休みじかん、ぼくが本をよんでると、アキトくんがきた。
「おまえ、いっつも本よんでんな」
そういって、アキトくんは本をほうりなげた。
「サッカーやりにいこうぜ!」
ぼくはむりやりつれてかれた。
ぼくは先生を見た。先生はとおくから、にっこりとこっちを見てたから、ぼくはこれでなにもいわれないとおもった。このときからアキトくんとともだちだ。ボールがなんかいもあたってからだがいたかった。
「あら、今日も4人で遊ぶの?」
「うん、先生があそんでやれっていったからさ」
先生は一しゅんこまったかおをしてたけど、すぐにえがおになった。
「仲良しでいいわね。マサシくんもよかったね」
「じゃあまたあとでな」
もう一かいアキトくんがせなかをたたいた。せなかはすこしいたかった。
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