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「それでは、新入生の名前を呼んでいきます。名前を呼ばれた人は
返事をしてその場に立ちましょう」
(キタキタ。
返事するだけだけど、微妙に緊張するんだよね~)
7クラスある中で、美優は2組。
(1組はだれがいるんだろう。
確かクラブが一緒だったあおいちゃんが1組だって言ってたな)
「1年1組!あいば しん!」
1組の担任の男の先生が声を張り上げて呼んでいく名前を
聞き漏らすまいと美優は耳をそばだてた。
「あんどう たけし!」
「はい」
「うえの だいあ!」
「はい!」
名前を呼ばれた子が次々に返事をして立ち上がっていく。
美優の苗字は「まつばやし」なので、席が後ろの方だ。
立ち上がった子の後頭部だけがかろうじて見えた。
「えがみ はると!」
(あ、はると君、1組なんだ)
はると君は、親友の綺羅(きら)と両想い、な男の子。
5、6年の時は綺羅もはると君も同じクラスだった。
2人で話したことはそんなにないけど、バレンタインデーに
校舎の裏に呼び出してあげたり、
恥ずかしがる綺羅のかわりにちょっとした質問(好きな女の子いる?とかね)をしてあげたりしてきたから、
なじみのある男の子。
(綺羅は4組って言ってたから、クラス離れちゃったね・・・)
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