an entrance ceremony~入学式~

7/7
前へ
/24ページ
次へ
いったん心を落ち着かせるためと、 だんだん自分の名前を呼ばれる番が近づいてきたので、 また、先生の声に集中する。 「以上1組!31名、着席!」 1組の生徒の名前は全員呼ばれ終わり、 続いてさっき教室で自己紹介を聞いたばかりの 美優の担任にマイクが渡った。 きれいな長い髪を後ろでひとつに束ねた、 優しそうな女の先生だ。 「いがらし くもた」 「はい!」 ・・・・・ 「ゆあさ としき」 「はい」 ・・・・・・ 「たなか ゆき」 緊張しいの美優は、自分の名前が呼ばれる瞬間が近づいてくるにつれて 心臓がどきどきしてきた。 ・・・・・・・ 「まつばやし みゆ」 「・・はい」 緊張で大きい声は出なかったけど、それなりな返事をして立ち上がる。 (ふ~終わった・・・) 美優の後に二人呼ばれて2組はおしまい。 「以上2組!31名、着席!」の声で着席すると、 ほっとした気持ちになった。 後は7組の最後の生徒が呼ばれ終わるまで、ぼーっとしていても大丈夫。 そう思うと、美優は幼い日の思い出を回想しだした・・・。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加