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いったん心を落ち着かせるためと、
だんだん自分の名前を呼ばれる番が近づいてきたので、
また、先生の声に集中する。
「以上1組!31名、着席!」
1組の生徒の名前は全員呼ばれ終わり、
続いてさっき教室で自己紹介を聞いたばかりの
美優の担任にマイクが渡った。
きれいな長い髪を後ろでひとつに束ねた、
優しそうな女の先生だ。
「いがらし くもた」
「はい!」
・・・・・
「ゆあさ としき」
「はい」
・・・・・・
「たなか ゆき」
緊張しいの美優は、自分の名前が呼ばれる瞬間が近づいてくるにつれて
心臓がどきどきしてきた。
・・・・・・・
「まつばやし みゆ」
「・・はい」
緊張で大きい声は出なかったけど、それなりな返事をして立ち上がる。
(ふ~終わった・・・)
美優の後に二人呼ばれて2組はおしまい。
「以上2組!31名、着席!」の声で着席すると、
ほっとした気持ちになった。
後は7組の最後の生徒が呼ばれ終わるまで、ぼーっとしていても大丈夫。
そう思うと、美優は幼い日の思い出を回想しだした・・・。
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