375人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ──」
目を丸くする神官の端正な顔へ顔をよせる。その引き締まった唇へ無理矢理唇を押しつけた。
「んーむむむ、む」
ぎゅうぎゅう押しつけ続けると、ようやく相手も口移しで飲ませようとしていることに気づいたらしく、口を開ける。
呼吸困難になりながらどうにか飲み込ませることに成功し、ミラは自分の唇を離した。大きく肩を上下させ、やっと肺へと空気を取り込む。
「……強引ですね」
口元からあふれた液をこぼして、ぼそっと彼がつぶやいた。ミラはあわてて身につけているエプロンのはしでしずくをぬぐった。
「すみません! 先に言わなくて。やっぱり気を悪くしましたよね? 本当に失礼なんですが、これが書いてある手順通りで」
恐縮し続けるミラの姿がどうやら面白かったらしい。あきれはてていた顔が、ふっと小さく笑いを見せる。
「いいですよ。とにかく進めて」
「はい。それでは失礼して──」
恥じらいながらもローブを取って、質素なワンピース姿になる。エプロンとともに脱ぎ捨てると、後は下着のチュニックのみだ。神官が再び瞳を見開く。
下着はうすい生地なので、自分でもちょっと恥ずかしいくらい豊かな胸がまるわかりだ。彼の視線も釘づけだから、意識高い系の神官もおっぱいは嫌いではないらしい。
ミラは内心ほっとした。これから自分が行うことは異性の生理に関することで、正直言って今のミラにはあまり自信がなかったのだ。伝わる本の手順通りに薬も作ってみたのだが、実は作るのも使うのも今回の依頼が初めてだった。
「えーと、すみません。確認します……」
寝台に横たわっている彼の体の中心に目をやる。今までよりもなんとなく盛り上がって来た箇所を見つけ、相手の様子をうかがった。
身動きできない神官は、どうにでもしろという顔で黙ってなすがままだった。遠慮しながら彼が着る式服の長いすそをめくる。
ミラは眉間にしわをよせた。彼の下穿きの真ん中が予想以上にふくらんでいる。
おそるおそる服を下ろすと、にょきっとヘビに似たものがミラの前に顔を出した。醜悪すぎるその様相に喉の奥で悲鳴を噛み殺す。
「なにこれ!? こ、これこんなに大きいんですか!?」
最初のコメントを投稿しよう!