2.交代

2/4
前へ
/88ページ
次へ
 説明しながらふくらみを両手でぐにぐにもみ続け、奥にくすぶる快楽を必死になって探し出す。 「サキュバスの秘術を使うには、私自身も自分の体を絶頂に導く必要があります。ですが、そういった経験が実は私にはまだなくて。でもなんとかがんばります」  しかし起こった体の熱はさほど高まる気配を見せない。少々あせりつつ説明を続ける。 「これで私の体がもっと高ぶることができればいいんですが。ダメだったら……」 「ダメだったら?」 「第二段階です。──高ぶりませんね」 「ダメみたいですね」  ミラは心底途方にくれた。 「どうしよう……やっぱり効果がない」 「こまりましたね」  横たわったままくっくっと神官が喉の奥で笑った。何だかとても楽しそうだ。 「それで、第二段階は?」  面白そうな顔で聞かれて、ミラは思わずうつむいた。ぼそぼそと言葉を返す。 「『相手の方に協力を請う』、と本には書いてありました。でも……」 「わかりました。でしたら私の鎖を外してくれませんか? 協力できると思います」  あっさり言われて目をみはる。しかしこちらを見上げる視線になぜか危険なものを感じて、ミラは少々たじろいだ。 「だめですよ! そんな……まだ大丈夫です! 昨日もちょっと練習したし、私も薬を飲みましたから」  経験のなさをカバーするのにミラも色々勉強し、この部屋に入る直前に自身も媚薬を飲んで来たのだ。一応効いているのだろう、先ほどよりもなんとなく体の奥がくすぶる気はする。が、本に書いてあるようなおかしな気分にはほど遠い。  拘束された神官はまなじりに笑みを含ませた。 「あなた、こういった経験はこれが初めてなんでしょう? 一人では多分、無理ですよ」  どこか甘いような響きで続け、トドメとばかりににっこり笑う。 「早く。ほら、私のものもそろそろ萎えて来そうです。そうなったら困るんでしょう?」
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

375人が本棚に入れています
本棚に追加