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「あ……はい」
ミラはうなずき、下着に手をかけた。目の前で裸になるミラに彼がごくりと喉を鳴らす。熱のある視線が肌へからんで、視界に映る彼のものがさらに凶悪な様相に変わった。
神官は艶めいた声で続けた。
「もう一度、おさらいします。ここであなたが私と交わり、絶頂を迎えることができれば、私から奪いとった力を髪に変換できるんですね」
ミラは顔をそむけながら答えた。
「そうです。それは『魔女の糸』というれっきとした魔道の道具です。本には媚薬や回春の薬になると書かれています。それに私から切り取った髪なら簡単に浄化できるはずです。──本当は私に力があれば、口の中で受け止めるだけでも変えることができるのですが。まだまだ修行がたりなくて……」
「男のものを口中で受け止めるだけで絶頂すると。……さすがサキュバス、ド変態ですね」
聖なるはずの神官にすけずけ下品なことを言われ、ミラは首筋まで熱くなった。しかしなぜか神官は甘いまなざしをよこして続けた。
「いいでしょう。こうなったらどうあってもあなたに絶頂を迎えてもらわなくては。私も一緒に頑張ります」
神官がさらににじりよって来た。その勢いに気圧されて、のけぞったままの姿勢で耐える。
「昨日、どうやって練習したんです?」
笑みをふくんだ声で聞かれて、ミラは小さくうつむいた。
「ですから、本で書かれていたように……」
「なんて書かれてたんですか」
「え……えーと。指で、その……」
「せっかくですから、私の前でそれを実践してください」
ミラは思わず絶句した。一体何が「せっかく」なのか。ふと気がつくと彼のペースで内容のハードルがガンガン上がる。
脇のテーブルに開かれたままの書物へざっと視線を送り、神官は飄々と言葉を継いだ。
「なるほど、古代文字ですか。これはなかなか興味深い……ほら、寝台に寝てください。ここに書いてありますよ、『まずは大きく足を開く』と」
言われたことに赤面すると、彼は優しげな笑みをたたえた。まるで出来の悪い生徒を諭す教師のような表情だが、優しい笑顔がむしろ怖い。
「大丈夫です。見せてください。ほら、早く」
──だから、何が「大丈夫」なの!?
ミラは混乱しながらも寝台の上に横たわった。とにかく先へと進まなければ報酬分の仕事はできない。
──これは仕事。これは仕事!
膝を立てていた足をゆっくり左右に開いていく。
どこかかすれた声が続けた。
「もっとです。それではまだよくわかりません」
ミラは真っ赤になりながら、覚悟を決めてさらに開いた。
すぐ目の前でさらされた震える処女の最奥に、神官がはっと息をつく。秘所を凝視する彼の視線が今にもふれて来るようで、ミラは羞恥に唇を噛んだ。
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