事例1: 男子大学生のケース

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事例1: 男子大学生のケース

 青年はバイトの履歴書に使うための証明写真を撮ろうとふらりとひとりで家を出たものの、彼はそのための機械がどこにあるかを調べ損なっていた。  実家の近くになら子供の頃に親に連れられて行った写真館あたりが候補になりそうだが、今住んでいるこの街にそのようなものがあるかどうかなんて調べたことなんかない。  いろんなところにあるような気がしていた証明写真機だって、案外見当たらない物だった。 「あ、あった……!」  青年がようやくその機械を見つけられたのは、家を出てから20分後。  場所は、ここにならあるだろう、といつも使っているスーパーと比べて少し遠いところにある大型スーパーの、その南側の入り口付近だった。
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