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事例1: 女子専門学校生のケース
専門学校に通っているその女の子は、バイトの履歴書に使うための証明写真を撮ろうとふらりとひとりで家を出たものの、そのための機械がどこにあるかを調べ損なっていた。
以前使った記憶のある家から最も近いところにあるドラッグストアの入り口前には、もう写真を撮るための大きな機械はそこになく、少しばかり彼女は途方に暮れていた。
こんなことなら、お母さんに車出してもらえばよかった。
免許は持っているものの完全なるペーパードライバーである彼女は、近場であっても自分では運転しないことでペーパードライバーとしての務めを果たしていた。
その都度母親にはため息をつかれているのだが、彼女はそれを受け流すことに完全に慣れきっていた。
彼女がようやくその撮影機を見つけられたのは、家を出てから15分後。
ここにならあるだろう、と自宅からは少し遠いところにある大型スーパーの、その南側の入り口付近だった。
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