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少し急いで帰ると怜さんがネコに水とごはんをあげていた。
「空っぽだったぞ」
「…ごめん」
買ってきた弁当とお惣菜をテーブルに広げて「どれ食べる?」と怜に聞いている。
「ビールは?」
「今の書き終わってから」
意味深に遥斗さんが言って、お茶を出してグラスに注いでいる。
「匠くん家族の人が迎えに来るんだって」
「へえ」
怜さんは露骨にうれしそうな顔をした。そんなに俺は邪魔だったのかと思うと寂しくなる。助けてもらっておいて何だけど遥斗さんについてこなければよかった。
『招かれざる客』だもんな。
「ところで匠くんの大学ってどこなの?」
めずらしく怜さんが俺に話をふってきた。ここから近かったらイヤなんだろうか。
「ここから遠いですよ」
一応今までお世話になったし、社交辞令的に怜さんが喜びそうな返事をした。
「物件探しにくるんでしょ?また遊びにきなよ」
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