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大清水トンネルを抜けると車窓は雪化粧をまとった。新幹線はすぐに越後湯沢駅を通過していく。
僕はぼんやりちゃんと過ごした半年分の写真たちを眺めながら、改めてその不思議な白い姿に思いを馳せていた。
この一件以来、僕には霊感が全くないのか霊的な体験をしたことは一度もない。
ただ一つだけ、大人になってから知った驚愕の事実がある。僕には生まれてこなかった姉がいたのだ。
僕が生まれる一年前に死産し、その小さな躯は白煙となって空に昇った。
長女として生まれ、両親から溺愛されるはずであった姉。少女として可憐に育ち、誰からも愛されるはずであった姉。人生の伴侶を見つけ、赤子を抱きながら笑うまだ見ぬ姉の姿を、僕はこの光の中に見出していた。
ただ僕は今日まで、幼いころの気恥ずかしい思い出であるぼんやりちゃんと姉の関係を母に問うことができなかった。
病院に着いた頃には日付を跨ぎかけていた。母はすっかり衰弱し、白いベッドの上で眠りについている。
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