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「お疲れ~」
半分、魂を抜かれてしまったような状態で、サハナは部活の準備室に顔を出した。
通常授業のみを選択した同級生は、既に部活前のティータイムを満喫していた。
サハナの通うメルシュリーヴァ魔術学校では、十六歳になる高等科第四学年の年から授業が単位制に切り替わる。
理由としては、自分に合った勉強スタイルで、自分の得意や興味関心のある分野に知識を深めたりして欲しいという学校方針からである。
必要単位数を獲得すれば卒業出来るシステムにより、生徒は自由に授業を選べ、時間を好きに活用することが出来る。
特に、最終学年ともなると残る必要単位も少なくなってくるので余裕を持って卒業後の進路を考え、最後の学生生活を楽しみに使う生徒も少なくはない。
「今日も扱かれたわね…」
「栄養補給にクッキー食べる?」
「午後の通常授業、行けそう?」
ぐったりするサハナに、友人等は憐みの目を向ける。
大きな使命の為とは言え、サハナの特別授業を受け持つ教員達は皆、スパルタで有名である。
特に、次期巫女に決まってから彼女の直轄担当教員に抜擢されたフォベル先生の容赦の無さは、過去卒業した先輩達を今でも震え上がらせる程の語り草である。
「余裕ある皆が羨ましい…」
「安心しろ。これから我らには受験または就活という名の試練が待ち受けている」
そう言い放った友人に誰もが口を噤んだ。
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