昭和22年

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 小川は、冴子が中学を卒業した時から、毎月、来るたびにプロポーズした。  冴子は中学を卒業した後、家の家事や農作業を手伝って暮らしていた。小川が来る日は、両親に決まってこう言われ、家で小川を待つ役目になっていた。 「今日はジジイが来る日だ。お前に会うのを楽しみに来るんだから、お茶の一杯もご馳走してやれ。本当に結婚する気があるのか聞いてみろ!」  そう言われても、冴子は真面目に考えたことはなかった。どうして16歳の自分が、あんな年寄りの嫁にならなきゃいけないのか。いくら口減らしのためとはいえ、あんまりだ、と思っていたからだ。
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