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「そういうのいいから!用件は!?」
少し強めの口調で聞いた。
すると、その猫はビクッと身体を震わせた。
「ご、ご、ごめんなさいぃぃ!あ、あの人を探してまして!こ、この辺り詳しいかな?と思い話しかけました!」
笑ってしまうくらいビビりながら用件を私に伝えてきた。
「ふーん、確かに詳しいけど、あなた飼い猫?」
私は冷たい目をした。
「は、はい!す、すごく優しい人で!」
少し笑みを浮かべながら迷い猫は答えた。
「へぇー、そうなんだ。悪いんだけどあなたには協力できないわ。何の苦労もせずに人間に可愛がられてる飼い猫って大っ嫌いなの。」
私は不快感を隠せないでいた。
「あ、ご、ごめんなさい。で、でもどうしても見つけたくて!」
迷い猫は食い下がってきたが私は
「それじゃ、頑張って探してね。」
とだけ言い残しその場を去った。
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