2

5/8
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
「そういうのいいから!用件は!?」 少し強めの口調で聞いた。 すると、その猫はビクッと身体を震わせた。 「ご、ご、ごめんなさいぃぃ!あ、あの人を探してまして!こ、この辺り詳しいかな?と思い話しかけました!」 笑ってしまうくらいビビりながら用件を私に伝えてきた。 「ふーん、確かに詳しいけど、あなた飼い猫?」 私は冷たい目をした。 「は、はい!す、すごく優しい人で!」 少し笑みを浮かべながら迷い猫は答えた。 「へぇー、そうなんだ。悪いんだけどあなたには協力できないわ。何の苦労もせずに人間に可愛がられてる飼い猫って大っ嫌いなの。」 私は不快感を隠せないでいた。 「あ、ご、ごめんなさい。で、でもどうしても見つけたくて!」 迷い猫は食い下がってきたが私は 「それじゃ、頑張って探してね。」 とだけ言い残しその場を去った。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!