1

2/6
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
朝ごはんを食べ終えていつもの定位置に移動した。 そこで僕はお気に入りのドーナツ型の枕の上でくつろぎながらママを眺めていた。 朝ごはんに夢中だったから気づかなかったけどママはなんだかいつもと少し雰囲気が違ってるように思えた。 いつもはあまりしない化粧をして、髪の毛も綺麗にセットしている。 服はピンクのドレスを着て耳にはイヤリング、首にはネックレスを着けている。 僕は「今日はお出かけかな?」なんて思いながらママを眺めているとママが近づいてきて 「ふう太?今日はね、誠の結婚式なの。でもふう太は中には入れないから式場の近くに住んでいるママの友達に預かってもらうからね。いい子に待っててね!」とママは言って僕の頭を撫でた。 僕には人間の言葉は難しすぎてほとんど理解できてなかったけど誠っていう名前といい子に待っててねという言葉だけ分かった。 誠とはママの弟のことだ。 それだけしか分からなかったけどとりあえず いい子に待っていよう。 ん?待てよ?いい子に待っててねってことは僕は一緒に行けないのか? なんて考えているとママは僕のことを抱きかかえて慣れないヒールによろけながら車に向かった。 僕は一緒に出かけれることに安心した。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!