先輩困ります

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ふうんと先輩が納得したように声を出す 「じゃあ服一緒に買いに行く?」 「………はい?」 「買い物買い物。後輩ちゃんに似合う服選んだる」 「…あまりお金使いたくないので」 鉛筆の音がぴたりと止んだ かたんと椅子が鳴った 先輩の気配が近づいて、目を隠していた髪を避けられる 「後輩ちゃん誕生日いつ?」 「え、と…6月です」 「何日?」 「27…日……ですけど」 髪を触っていた先輩の指が頬へ降りてくる 先輩の顔を見ると、何故か焦げ茶色の目から目線を逸らせなくて すると、さっきまでの無表情が嘘のように、にまーっと笑った先輩 「誕生日プレゼントに先輩が買ったる!」 「え、でも来月で」 「来月行こうよ。その前に文化祭もあるし、部活の買い出しのついでに」 「でも、申し訳ないです」 「あたしが買いたいから買うの。異論は認めませーん」 物凄く強引だ 初めて話したばかりの後輩に、どうしてこんなに優しくしてくれるのか 全然分からない 「じゃあさ、」 「はい」 「文化祭の1日目に、あたしがあげた服着てきてよ」 「えっ」 「申し訳ないんでしょ?じゃあ、あたしがして欲しい事してね」 私の頬をするりと撫でて、ふんわりと微笑んだ ガラッと扉が開いて、先輩がそっちを向く 「あれ、南野じゃん。…その子は?」 「後輩ちゃんだよー」 「へぇー、次はその子に」 「Shut Up!!」 「さーせん」 大人びた女の先輩らしき人が入ってきた 次? なんの事だろう
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