先輩困ります

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「今日から美術部に入る事になりました。佳乃花疾風です。基本的に絵は描かずに立体作品を作ります。よろしくお願いします」 ちらほらと拍手が起こる 部員はほんとに数える程で、1年生は私ともう1人の男の子しかいない 2年生は5人、3年生は3人 取り敢えず入部しただけだから、そんなに顔を出す事もないだろう 「今日は部活どうする?帰る?」 「はい。今日バイトあるんです」 「そっか。じゃあ来たい時に来てね。あ、月曜日は基本的に休みだから」 「わかりました。さようなら」 少し控えめの女性の先生に挨拶をしてから部室を出る 今日はバイトしてから帰るから、ご飯はお母さんと別々かな 『今日バイトだからご飯先食べて』 お母さんにラインを入れて靴を履き替える グラウンドからは、野球部やサッカー部のかけ声がする 速くバイト終わらせよう スマホで時間を確認してバイト先へ急ぐ 遅れる訳にはいかないから 横を、楽しそうに話しながら自転車に乗った女の子達が通り過ぎた 羨ましいとは思わない 元々こんな根暗な性格だし、入学してから話しかけられたことなんて数える程 友達と言える子なんていない 1人は楽 暖かさを覚えてしまうと、離れた時に苦しくなるだけだから
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