4人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日から美術部に入る事になりました。佳乃花疾風です。基本的に絵は描かずに立体作品を作ります。よろしくお願いします」
ちらほらと拍手が起こる
部員はほんとに数える程で、1年生は私ともう1人の男の子しかいない
2年生は5人、3年生は3人
取り敢えず入部しただけだから、そんなに顔を出す事もないだろう
「今日は部活どうする?帰る?」
「はい。今日バイトあるんです」
「そっか。じゃあ来たい時に来てね。あ、月曜日は基本的に休みだから」
「わかりました。さようなら」
少し控えめの女性の先生に挨拶をしてから部室を出る
今日はバイトしてから帰るから、ご飯はお母さんと別々かな
『今日バイトだからご飯先食べて』
お母さんにラインを入れて靴を履き替える
グラウンドからは、野球部やサッカー部のかけ声がする
速くバイト終わらせよう
スマホで時間を確認してバイト先へ急ぐ
遅れる訳にはいかないから
横を、楽しそうに話しながら自転車に乗った女の子達が通り過ぎた
羨ましいとは思わない
元々こんな根暗な性格だし、入学してから話しかけられたことなんて数える程
友達と言える子なんていない
1人は楽
暖かさを覚えてしまうと、離れた時に苦しくなるだけだから
最初のコメントを投稿しよう!