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「……もしもし?」
「わたしメリーさん。今あなたの家の近くにいるの」
「は?」
プツッ、ツー、ツー、ツー。
電話はすぐに切れた。メリーさんって言ったか今? まさかな。そう思ってるとすぐに電話が鳴った。
「もしもし?」
「わたしメリーさん。今あなたの家の下にいるの」
プツッ、ツー、ツー、ツー。
家の下って言ったな。俺の家は五階建てのマンションで俺はそのうちの五階の部屋に住んでいる。てことは、一階上がるごとに電話がかかってくるのか……。
いっそのことスマホの電源を落としてしまえばいいのだけど、そうすると朝起きられなくなる。いつもアラーム機能で起きてる身としては消すわけにはいかない。
そうこうしていると、
プルルルル、
「わたしメリーさん。今マンションの二階にいるの」
プツッ、ツー、ツー、ツー。
プルルルル、
「……わたしメリーさん。今マンションの三階にいるの」
プツッ、ツー、ツー、ツー。
プルルルル、
「……わたし…… ハァハァ、メリー……さん。今……マ、マンションの……ハァ、よ、四階にいるの……」
プツッ、ツー、ツー、ツー。
プルルルル、
「……ハァハァ、わた……し……メ……さん……今……やっと……五階……ハァ……ハァ……」
プツッ、ツー、ツー、ツー。
プルルルル、
「わ……ハァ……メリー……ハァ、今……部やぁの……まぅ……え……に……ハァハァ……いる……いるの……」
そんな感じで、部屋の前に来る頃には息は絶え絶えで、声だけ聞いてるとただの変質者だった。
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