22人が本棚に入れています
本棚に追加
「とにかくこのチェーンを外してください!」
「防犯の為にかけてるんだからそれ外したら意味ないだろ」
「でも先ほどわたしたちは分かり合えたはず。そう、わたしたちはすでに友人同士!」
「いや、会ってまだ間もないし」
「ですよねー」
きっぱり告げるとことさらショボーンとしていた。ちょっとだけ可哀想に見えた。
「ほら、約束通りドア開けたし、今日のところはこれで」
「……わかりました。今日のところはこれで……と見せかけて隙あり!」
メリーさんがドアを閉めようとして緩んだチェーンを外そうと手を伸ばした。俺は思わず反射的にドアを閉めた。メリーさんの手は見事に挟まれた。
「痛い痛い! おてて千切れちゃう!」
「あ、ゴメン」
そっと力を抜くとスルリと手も抜けた。
「な、なにしてくれてるんですかー! あのままじゃわたしの右手が分断されてミギーになっちゃうところでしたよ!」
「うん、なに言ってるかよくわからないけどそれも含めてゴメン」
素直に謝る俺、超いい子。
「とりあえず見せて」
ドアの隙間からそっとメリーさんの手を取る。妙に白い肌のせいで挟まれたところが赤くなっていた。
「そこで待ってて」
最初のコメントを投稿しよう!