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アキちゃんとノブオ君
これはわたしの親戚のアキちゃんのお話です。
アキちゃんとは年齢も家も近く子供の頃からよく遊んでました。
とってもユーモアがあっておしゃべりも上手でわたしは彼女といるだけでとても楽しかったのを覚えています。
小中高と同じ学校に通い姉妹のようだと皆からよく言われていました。
大学は違う所に通うようになりお互いの友人との時間が増えて少しだけ疎遠になりましたが、それでも会ってそれぞれの近況を話し合ったりしていました。
しかし決定的に変わっていったのはアキちゃんに彼氏が出来た事でした。
彼氏はノブオ君と言って明るくて背が高くてイケメンでした。
それにカメラが好きでいつも首からぶら下げていて自宅には現像室を手作りするほど熱中しているようでした。
アキちゃんは元々それほど旅行好きではなかったんですが、ノブオ君と一緒に海や山でキャンプをして遊ぶようになりわたしも何度かご一緒させて頂きました。
ある日アキちゃんが何枚かの写真を見せてくれました。
1枚は海辺の写真で楽しそうに笑うアキちゃんが写っていてもう1枚は何処かの山頂で二人並んで撮られた写真でした。
「この写真ね、チョットだけ変なの。
私の後ろに写ってる子供なんだけど...」
アキちゃんはその時子供とかいなかったというのです。
その海の写真をよく見ると子供と言うか2歳位の女の子とお母さんなのか顔は後ろを向いていてよく分かりませんでした。
ノブオ君も周りに沢山の人はいたけれど子供はいなかった気がするとの事でした。
恐い写真なのかなとも思いましたが女の娘もにこやかに笑っていてそう言う雰囲気は全く無く逆に和んでいる感じさえしたのです。
そして山頂の写真は海の写真を撮って8ヶ月後だったという事でしたが、この時はセルフタイマーで撮った写真だったそうです。
この時も多くの人が周りにいる中で女の子がぽつんと写っていました。
その娘は小学校の1~2年生位に見えて長い髪の少女でした。
パッと見、2枚の写真はそれ程違和感を感じなかったのですが見てる内に段々と分かって来ました。
その子はひょっとしたら同一人物じゃないかと...
わたし達は色々な可能性を話し合いましたが、結局は似たような子供がたまたま写ったと言う事で落ち着いたように記憶しています。
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