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息子のお見合い写真
息子が1枚の写真をもってきた。
写真をみると一人の女が写っていた。年は30歳近くに見える。ピンクのスーツに髪はショート。なんかダサい。色は黒めだし、げじまゆ。ややつり目。気が強そうで息子を尻にひいてしまいそうだ。
その上痩せぎみで子を産めるのかって感じの女だった。
「何これ、見合い写真。返してき!」
と写真を息子に投げつけた。
「もうお見合いはすんで結婚する気だから俺」
1週間後挨拶にくるからと、さらっという息子。
なんだって、お見合いした? 1週間後家につれてくる?
「わかった、準備しとくよ」
と夫は勝手に承諾した。
いつお見合いしたんだ?
見合いした話しなんてきいてない。
私嫌だこんな娘
「人を見てみないとわかんないだろう?
この娘、外国人らしいよ」
と夫が言った。
はぁ?なんだって外国人?
もう1度まじまじと写真を見る。
見た目は私達と変わらない。中国人なのか?
「日本人だって。忍耐強く意志が強そうだし、頭もよさそうだよ。息子より学歴もあるじゃないか」
と夫が説明してくれた。
「学歴があるって、私息子をないがしろにしそうな娘なんて嫌」
「息子が優柔不断だからちょうどいいね、いい娘だそうだよ」
夫の話している様子をみると、すでにいろいろ知っているようだ。
「こういう娘はうちの家門にはふさわしい」
居している舅もこの写真を見て賛同する。
どこを見てうちの家門にふさわしい?ふざけてるんか。
「お義父さん、本家の嫁に外国人なんて」
と私は心の声をおしころしながら訴えたが、私の必死のうったえを誰もきいてはいなかった。
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