愛の証明

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俺は黒川先輩のことが好きだ。 昨年ここに入部したときに初めてその姿を見て、とても綺麗だと思った。 身長は170センチほどと高く、すらりとした体型で長い黒髪を背中まで下ろしている。目は細めでキリッとしていて、とても上品な顔立ちをしている。 俺はきっと一目惚れしたのだろう。 俺はそれから何度も先輩と関わっているうちに、先輩の上品に見えて意外と大雑把な性格や、話しやすくて面白いところに更に惹かれていった。 今もこうして先輩の前の椅子を狙って座り、楽しそうに話す先輩の顔をずっと見ている。 しかし… 「ちょっと、ゆうにも聞いてくださいよ!先輩!」 隣に座っていた小林優花が俺の右腕に勢いよく抱きつきながら言ってくる。 「ゆうは、うすしおですからね。先輩と一緒ですよー」 小林は俺の目をじっと見ながら言ってくる。 「おぉ、そうか」 俺は雑に返しながら右腕の小林を引き剥がす。 今年の春、入学、そして入部してきた一年の小林優花。こいつがとんだ問題児なのだ。 小柄で目はクリクリとしていて正直とても可愛い。きっとこれまでチヤホヤされて育ってきたのだろう。 そんなやつがなぜか、俺にぞっこんなのだ。小林が俺と出会ってからまだ二ヶ月しか経っていないというのにこうしてずっと俺にべったりくっついて離れない。 それに小林は俺に一目惚れしたと言う。俺は自分の容姿に自信を持ったことなどなかった。平凡な顔。良く言って中の上といったところか。 これまでの人生で女子にモテたことなどなかった俺は非常に戸惑った。むしろすごく迷惑だった。
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