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「てめえが四天の北条か――?」
それは新学期の番格対決が終わったばかりの、とある放課後のことだ。一人、帰路についていた北条秋夜の目の前に、いきなり現れたふてぶてしい集団。彼らは川を隔てた隣町にある川東高校の学生たちだった。
青色のブレザーを着崩し、髪は派手なカラーリングやブリーチで弄り放題――見るからにガラの悪いメンツ揃いである。そんな男たちが七、八人で徒党を組み、顎を突き出して秋夜の行く手を塞ぎに掛かってきたのだ。
「てめえ、四天じゃ今年の頭だなんだと言われてるらしいが、あんま調子コイてんじゃねえぞ!」
「つかよ、桃陵の源とタイマン張ってのめしたって話だけど、ホントかよ」
「正直、信じらんねえよなぁ。相手は”斉天大聖”と言われたあの源だぜ? ガセじゃねえのか?」
「よっぽどツイてたか、それとも姑息な手段でまぐれ勝ちしたってだけじゃね?」
ニヤニヤとせせら笑いながらにじり寄られ――秋夜はあっという間に彼らに周りを囲まれてしまった。
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